今さら聞けない!「蛙化現象」って何?例は?気になるネタ元も

近年よく耳にする「蛙化現象」という言葉。なんでも、Z総研による調査ではZ世代が選ぶ2023年上半期の流行語ランキング1位になったそうですよ!

今回は蛙化現象の意味やネタ元を紹介します。

蛙化現象とは?

蛙化現象は「好意を抱いている相手が自分に好意を持っていることが明らかになると、その相手に対して嫌悪感を持つようになる現象」を指す心理学用語です。2004年には既に論文でこの現象が発表されていましたが、2020年頃からはインターネットを中心により話題に上がるようになりました。当初は女性特有の現象とする見方もあったようですが、今では性別を問わない現象とされているようですね。

ネタ元は「かえるの王さま」

「蛙化現象」の名前は、グリム童話の「かえるの王さま」から取られているようです。泉に落としてしまった王女の金の鞠を拾ってあげるかわりに友達になってほしいという蛙に対し、王女は約束を受け入れ鞠を受け取ったものの蛙が気持ち悪く、蛙をぞんざいに扱います。なおも迫ってくる蛙に、王女は腹を立てて蛙を掴み壁に投げつけてしまうのですが、実はその蛙、王子様が悪い魔女の魔法で姿を変えられていたものでした。投げられた時に元の姿を取り戻した王子様、王女はすぐさま彼と仲良くなり、結ばれたというお話です。

「蛙化現象」とは合っていない気も?

今内容を知ってみると、なんとなくしっくりこない話ですよね。また、「自分に近づいてくる気持ち悪い蛙を嫌っていたのに、蛙が実は美しい王子様だと分かった瞬間彼に好意的になる」という話の内容は、寧ろ「蛙化現象」とは反対のような気もします。ですが、作中の王女のように「感情が急激に変化する」という点を、好きだったはずの相手に嫌悪感を持つという現象に重ね、「蛙化現象」と呼ぶようになったそうです。

今流行っている「蛙化現象」は誤用!?

さて、2023年に若い世代の流行語となった蛙化現象ですが、どうやらこの言葉の使われ方は本来のものとは少し違うようなんです。現在は主に「交際相手などの嫌な面を見て幻滅する」という意味で用いられています。当然の事象のように思えますが、この「嫌な面」が相手に全く非がないケースも多いようなんです。

誤用の蛙化現象 例を紹介

ここでは近年使われている意味での蛙化現象の実例を紹介しますよ。

理想と異なる言動に幻滅

「そんなことで!?」というトンデモ蛙化現象の代表例として知られるのが、「フードコートでうろうろと席を探している姿を見て蛙化現象に」というもの。「どこが嫌なの!?」と言いたくなる人もいるかもしれませんが、実際にこれで蛙化現象になってしまう人がいるようなのです。他にも「会計で支払いがもたつく」「待ち合わせ場所できょろきょろ」なども蛙化現象の対象に。「スマートな人であって欲しい」というパートナーに対する理想から離れたパートナーの行動に幻滅してしまうということのようです。

近い存在になってから見えた一面に幻滅

顔が好みだった相手と交際に発展したという女性、しかし相手男性の鼻から鼻毛が出ているのが見えてしまい、一気に萎えてしまったという例も見られました。一発アウトは残酷すぎる気もしますが、これは理由としては分からなくないかも?また、同棲してから彼女のズボラな一面を知ったという男性は、その姿が母親と重なってしまい蛙化現象のような現象を起こしてしまったそうです。このように、近い存在になったが故に見えた一面から幻滅してしまうという事例もある模様。「蛙化現象」にカテゴライズしなくても良い気もしますけどね。

蛙化現象の誤用は好ましくない

誤用の蛙化現象は、理不尽な感情の動きを正当化するような側面もあり、最近は蛙化現象という言葉そのものに否定的なイメージを持つ人も多くいます。これは、元の意味での蛙化現象の当事者へ誤解と偏見をもたらす「現実の心理学化」的な問題性が生じていると指摘されており、好ましい状態ではないようです。今流行っている「蛙化現象」を全て別の言葉に変えるのは現実的ではないように思えますが、せめて正しい意味は知っておきたいですよね。

最後に

今回は蛙化現象についての紹介でした。

大々的に流行っている言葉が実は誤用というのも驚きですよね。ただ、今でも「相手からの好意が嫌悪感に繋がる」という、元の意味に似た側面での蛙化現象という概念は残っているようですよ。